障害があって、勤務する時に配慮してもらいたいことがある場合、合理的配慮といって、配慮を求めることができます。
しかし、それが自分のわがままなのではないかと、なかなか言い出せない方もいらっしゃいます。
この記事では
- 合理的配慮とは?
- 合理的配慮とわがままの違いは?
- 具体例で考える
について解説します。
合理的配慮とは?
合理的配慮とは、まずどの様なことでしょうか。
合理的配慮とは、障害を持っている自分が、仕事を一緒にやっていく人のことを考え、どの様な配慮があればしっかり周りに迷惑をかけずにスムーズに仕事が進むのかということを言います。
文部科学省では、
1.障害者の権利に関する条約における「合理的配慮」
(1)障害者の権利に関する条約「第二十四条 教育」においては、教育についての障害者の権利を認め、この権利を差別なしに、かつ、機会の均等を基礎として実現するため、障害者を包容する教育制度(inclusive education system)等を確保することとし、その権利の実現に当たり確保するものの一つとして、「個人に必要とされる合理的配慮が提供されること。」を位置付けている。
(2)同条約「第二条 定義」においては、「合理的配慮」とは、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」と定義されている。
引用;文部科学省
「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」
となっており、平等にすべての人権及び基本的自由を享有しという言葉の通り、仕事でもなるべく平等に自分の力が発揮できるように合理的配慮をするのです。
合理的配慮とわがままの違いは?
そもそも、合理的配慮とは
「障害に基づく差別」及び「合理的配慮」に関しては、2011 年に改正した障 害者基本法において、基本原則として、障害を理由として差別することその他 の権利利益を侵害することを禁止するとともに、障害者への差別とならないよ う、障害者が個々の場合において社会的障壁の除去を必要とするときは、その 負担が過重でない場合には、その障壁を除去するための措置が実施されるに当 たり、合理的な配慮がされなければならない旨規定した。(障害者基本法第 4 条第1項、第2項)
引用:障害者の権利に関する条例
障害者の方は、『障害者が個々の場合において社会的障壁の除去を必要とするときは、その 負担が過重でない場合には、その障壁を除去するための措置が実施されるに当 たり、合理的な配慮がされなければならない旨規定した』とあるように、配慮を受けることが法律で決められています。
しかし、それは社会的障壁を除去するためのものであり、わがままとは区別しなければなりません。
わがままとは
わがままとは:相手・まわりの者の意に反して、無理な事でも自分がしたいままにすること。したいほうだい。
という意味です。
仕事がスムーズに進む様に、相手のことも考え、心を配ってもらうのが合理的配慮で、相手や周りのことを考えず、自分の主張だけすることをわがままと言います。
では、具体的にどういったことが当てはまるのでしょうか。
具体例で考える
それでは、具体例をあげてみましょう。
これは合理的配慮でしょうか?わがままでしょうか?
これは、合理的配慮です。仕事をしっかり行うための配慮なので、わがままではありません。
仕事をちゃんと進めるために、自分でできることを伝えていますので、相手への配慮も伺えます。
これはどうでしょう?
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これは、『わがまま』です!
業務にはチームワークも必要です。
自分の感情だけで部屋を変えてもらうというのは、周りのことを考えていません。
仕事のためというより、自分が気持ちよくいるための主張です。
相手に求めるだけで、言い方にも配慮が感じられません。
チームワークを作り上げるためにも、たとえ嫌な人でも関係性を築く必要がありますし、嫌いだからと言って部屋を変えてもらっていたらキリがありません。
また、この人にそれを許したら、他の人にも対応しなければならないことが生じるかもしれません。
迷惑をかけますね。
まとめ
この記事では
- 合理的配慮とは?
- 合理的配慮とわがままの違いは?
- 具体例で考える
について解説しました。
配慮を求める時には、相手のことも考え、自分自身が配慮していることを伝えるといいでしょう。
仕事をスムーズに進めるために、周りの人のことも考えることが大切です。
就活の際に、これはわがままなのか、それとも配慮なのか、わからなくなってきますので、障害者専用就職エージェントに登録し、確認してもらいながら就活を進めることをお勧めします。