障害を持つ方は障害者雇用で働くことを希望している方は多いと思われます。
しかし、障害者雇用は身近ではないのでなかなか情報が入ってきません。
「障害者雇用はいじめられたり、給料もずっと安くて、いいことないよ」
と言われる方もいらっしゃるようです。
実際はどうなのでしょうか。
この記事では
- 障害者雇用とは
- 障害者雇用がデメリットしかないと言われるのはなぜ?
- 障害者雇用は本当にデメリットしかないの?
- 障害者雇用のメリットはあるの?
について解説します。
障害者雇用とは
障害者雇用とは、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害など、障害者手帳を持っている方を雇用する雇用形態です。
障害者雇用はそれ専用の雇用枠で募集しており、法律によって企業が雇わなければならない障害者の人数も決まっています。
一定の従業員数に対して、2.3%の人数を雇用すると決められています。これが法定雇用率です。
法定雇用率は2026年度には2.7%にアップするので、どんどん間口は広まってきています。
国や地方公共団体などは、3.0%にまで上がります。
公務員になれる可能性も高まっています。
障害者雇用がデメリットしかないと言われるのはなぜ?
ここまで読んでいると、「障害者雇用にはメリットしかないのではないか。」と思われると思います。
しかし、デメリットも当然あります。
一般雇用枠より求人数が少ないことと、担当できる業務の幅が狭いことが挙げられます。
東京都内のハローワークの求人数では、一般枠は10万件、障害者枠の場合は1100件となっており、確かに大きな幅があります。
また、障害者雇用は首都圏に集中していることもあり、地方に住んでいる方は求人不足に苦しむかもしれません。
一般的に障害者雇用を積極的に行う企業は、従業員数が数百人以上の大手が多いのですが、日本国内の会社は9割が中小企業なので、障害者枠の雇用も少なくなります。
また、給与水準が一般枠より低いように見えるのもデメリットとされている原因の一つでしょう。
身体障害者の平均給与は21万5千円になっており、扶養家族がいたりすると足りない額に見えます。
しかし、この平均給与は時短勤務で働く人の給与も計算に入っています。
障害を持っていると、フルで働くことが難しい方も多く、時短勤務の方も多いです。
その方の給与はやはり低いので、平均を下げてしまいます。
結果として、障害者雇用枠の給与は低い!となってしまうのです。
また、障害者雇用の仕事は、清掃や簡単な事務仕事など、軽作業が多いです。その場合は、平均年収も低くなってしまいます。
しかし、スキルを持っている障害者の方の給与が必ずしも一般雇用より低いとは限りません。年収500万を超える求人も実際にあります。
障害者雇用は本当にデメリットしかないの?
ここまで障害者雇用のデメリットをお伝えしましたが、やり方を工夫すれば障害者雇用のデメリットは解消されます。
なにか資格を取るとか、職業訓練でプログラミングの知識を手に入れるとか、パソコンの技術を向上させるためにMOSを取るなどです。
障害を持っている人が一般雇用され、配慮なしに働くと1年定着率は50%を切ります。やはり働き続けることに無理が生じてくるのです。
障害を持っている方が障害者雇用を目指すことは決してデメリットではありません。
障害者雇用のメリットはあるの?
障害者雇用のメリットといえば、やはり合理的配慮をしてもらえることにあります。
合理的配慮とは、障害を持つ人が、障害を持たない人と同じように働けるように、配慮することを言います。
たとえば、車椅子の方のために施設をバリアフリーにするとか、視力障害のある方に拡大鏡などを準備するとか、精神疾患のある方が対応できない業務の免除、通勤ラッシュを避けるための出勤時間の考慮など、配慮は障害の特性に合わせていろいろあります。
障害を持ちながら働くことは大変です。合理的配慮のうえで、働きやすい環境を作ってもらえることはメリットです。
また、普通ではなかなかチャレンジできない大手企業にチャレンジすることができます。
大手企業は従業員数が多いので、障害者雇用枠も多いです。
2.3%雇用しなければならないので、例えば、従業員数が1000人の場合は23人の雇用枠があります。
障害者雇用は一般採用より競争率も低いので、大手企業に採用される可能性もあります。
また、給与は勤務時間や経験次第で差が出ることがありますが、福利厚生は一般雇用も障害者雇用も同じです。大手企業は福利厚生も充実しているので、安心して働けて、福利厚生もしっかりしているというメリットがあります。
このように、障害者雇用にはメリットがたくさんあります。
いじめなどがないように、合理的配慮で職場のスタッフにもどんな障害か周知させ、どのような援助が必要か、しっかりあなたが遠慮したり、いじめられたりしないように取り組まれているのです。
まとめ
障害者雇用は最初に言われていたように、いじめられたり、給料も安いということもありません。
自分で障害者雇用を探すのは、求人数も少ないため難しいため、障害者専門就職エージェントに登録することをお勧めします。
障害者就職専門エージェントの比較の記事を書いていますので、ぜひ参考にしてください。