障害者雇用では生活できない?障害者雇用の本音とは

障害者雇用で働けば、もう安心だ!と思われるかもしれませんが、現実はなかなか困難です。収入面や本音はどうなのでしょうか。

この記事では

  • 障害者雇用の本音と現状
  • 生活するためにお勧めする制度
  • 障害者雇用で生活できない場合の対処方法

について解説します。

障害者雇用の本音と現状

障害者雇用で働いている人の本音としては、

「もう少し給料が高ければ・・・」ということがあります。

障害者雇用は契約社員スタートが多いということもあり、一般採用正社員に比べると給料が低い傾向があります。

障害者雇用の方の中で非正規社員は80%です。正社員として雇われにくいのはやはり体力面や精神面が関係しています。

また、一般の方が週40時間働く反面、障害者雇用は最初から40時間は難しい方は20時間くらいから始めることも多く、それも平均給料を下げています。

厚生労働省の調査によると

  • 一般労働者:166.5時間
  • 身体障害者:149.7時間
  • 知的障害者:139.4時間
  • 精神障害者:138.6時間
  • 発達障害者:146.6時間

となっています。

精神障害の方が一番勤務時間が短くなっています。

やはり働くということがなかなか難しいという現状もある様です。

障害者雇用促進法では、週20時間未満は雇用率にカウントされないので、週20時間以上は働いている人がほとんどです。

また、厚生労働省の平成30年度障害者雇用実態調査結果によると障害別の給与の平均は

  • 身体障害者:215,000円
  • 知的障害:117,000円
  • 精神障害者:125.000円
  • 発達障害:127.000円

となっています。

身体障害の給料ならなんとかやっていけそうですが、それ以外の給料では家族がいたら生活が成り立ちません。

一人で暮らしている人でも、都会だと家賃も高いので、障害者雇用の収入だけで暮らしていくというのは難しいでしょう。

一般採用の正社員の平均給料は307.700円です。(厚生労働省より)

生活するためにお勧めする制度

生活するためには、もう少しお金を稼がないと余裕がないはずです。

そんな方には次にあげるおすすめの制度があります。

  • おすすめの制度
    障害年金
    生活保護
    特別障害者手当
    障害者控除

    これらを説明していきましょう。

障害年金

障害年金は所定の障害が認められた場合に受け取れる公的年金です。

これを受けるためには、たくさんの書類が必要ですし、かなり難しいです。

多くの方は社会保険労務士に依頼しているのではないでしょうか。

社会保険労務士に依頼すると、全ての書類を揃えてくれて、申請までしてくれます。

大体手付金に2万円。成功報酬で年金2ヶ月分といった形が多いです。

申請して障害年金を取得するのに1ヶ月〜4ヶ月はかかるので、それまではなんとか暮らさないといけませんし、働いていたら等級が下がり、もらえる金額も減ります。

そこが難しいところですが、多少でももらえると助かりますよね。

生活保護

生活保護は全ての人が最低限の生活を営める様に受けられる制度です。

障害者雇用で生活できない方にはいい制度なのですが、受けるにはかなり難しいです。

資産がないこと、援助してくれる身内がいないこと、貯金もないことなど、たくさん条件があります。マイホームを持っていたり、車を持っていると受けられません。

ましてや働いていると申請が通ることもないでしょう。

これは最後の手段です。

特別障害者手当

特別障害者手当がもらえるのは、重い症状を持つ障害者です。常時介護が必要なほどの症状がある20歳以上の方が利用できます。

特別障害者手当を受給する場合は、住まいの近くの保健福祉センター福祉業務担当を尋ねましょう。申請の際はマイナンバーと医師の診察が必要です。

申請が認められると毎月2月、5月、8月、11月に各月の全月分までの手当て金が支給されます。金額は月額27,350円です。

これだけでも助かりますよね。

しかし、24時間介護が必要な方は障害者雇用は難しいでしょう。

障害者控除

障害者控除とは、本人や配偶者、もしくは扶養親族に障害がある場合に、一定の控除を受けられます。

控除される税金と金額は以下の通りです。

  • 障害者:所得税27万円、住民税26万円
  • 特別障害者:所得税40万円、住民税30万円
  • 同居特別障害者:所得税75万円、住民税53万円

となっています。

これが一番現実的です。

障害者雇用で働くなら、確定申告の書類に障害者の枠があるので、記入しましょう。

障害者雇用で生活できない場合の対処方法

生活するために収入を増やす対処方法を解説します。

副業で収入を補う

副業は最近認められている企業が多いです。パソコンが使えるならライターや資料作りなど、在宅でできる副業がたくさんあります。副業すれば、自分のペースで働けますし、順調に進めば独立することも可能です。

しかし、独立するのは容易いことではありません。

副業は本業に影響しない程度で行いましょう。

転職エージェントを利用する

今の会社の給料なら生活できないから転職したいという方は、障害者専用就職エージェントに登録する方法があります。

障害者を専門にしているエージェントはでたくさんの障害者雇用の求人があります。非公開の企業もあり、普通に仕事探しをしていたら見つけられない求人も持っています。

障害者専門就職エージェントは、障害を持って就活をするかたのノウハウはかなり持っています。

たとえばリコモスでは、面接練習やエントリーシート、履歴書の添削も行っている様ですし、転居が必要な場合は部屋探しも手伝うそうです。

障害者雇用を探すなら、専門のエージェントを頼りましょう。

就労移行支援事業所に通所する

就労移行支援事務所では障害を持つ方が一般企業への就職を目指すサポートをする機関です。

パソコンやコミュニケーションのスキルを上げるだけではなく、生活のリズムを整える目的もあります。

まとめ

この記事では

  • 障害者雇用の本音と現状
  • 生活するためにお勧めする制度
  • 障害者雇用で生活できない場合の対処方法

について解説しました。

障害者雇用だけでは収入が足りない方は、この記事でお伝えした方法で、少しでも収入を増やしましょう。

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