視覚障害の方で、障害者雇用で働いている方は多数いらっしゃいます。
メガネやコンタクトレンズでも視力が上がらず、日常生活に困難が生じている方を、視覚障害者といいます。その障害の症状や対処方法はさまざまです。
この記事では
- 視覚障害の種類
- 視覚障害の方の雇用状況や具体的な仕事内容
- 必要な合理的配慮や解決方法は?
について解説します。
視覚障害の種類
視覚障害の方にはさまざまな障害の種類があります。
視力障害
眼鏡などを使っても視力が上がらず、機能が低下した状態をいいます。視力の程度を分類すると、失明している・視覚的な情報がほとんど得られない(光しかわからないなど)・拡大鏡や視覚補助具を使うことで視力を補える方。
視野障害
視野とは見えている範囲をいいます。視野が狭いと周囲が見えないので、歩行時などに不具合があります。中心だけ見えたり、周囲はぼんやり見れるが中央は見えないなど、さまざまです。
色覚障害
特定の色がわからない。色の見え方が本当の色と違う症状をいいます。
光覚障害
光覚障害は光を感じた時に、その強さを区別する機能がうまく機能しない状態をいいます。明るいところから暗いところ、または暗いところから明るいところに順応がうまくできない障害です。
視覚障害の方の雇用状況や具体的な仕事内容
視覚障害の方の雇用状況はどうなっているのでしょうか。
厚生労働省のデータによると、視覚障害の就職率は42%程度です。
視覚障害の方が働いている具体的な仕事内容として、専門的・技術的職業が975件(47.8%)でした。その内訳は、あんま・鍼・灸・マッサージが802件(39.3%)、福祉施設指導専門員(機能訓練指導員等)72件(3.5%)、理学療法士19件(0.9%)、その他82件(4.0%)でした。
続いて、清掃の仕事や生産工程の職業など、幅広い分野で活躍されています。
就職に関して準備しておくことは?
それでは、就職に関して準備しておくことはなんでしょう。
それは、面接などでしっかり必要な合理的配慮や、問題に対する解決策を話し合っておくことです。
視覚障害の方は、通勤などの移動の多さへ不安があったり、仕事をする時に資料が見えない・見えづらいなど、さまざまな問題があります。
それぞれの解決策について考えてみましょう。
通勤の問題
視覚障害を持っている方は、通勤ラッシュ時に電車やバスに乗るのは難しいですし、危険もあります。
そのため、フレックス制度を取り入れている企業を選ぶと良いでしょう。フレックスタイムというのは自分の好きな時間に出社して、仕事をすることです。
コアタイムといって、絶対に出社していなければならない時間を設けている企業もありますが、フレックスタイムなら、コアタイムをのぞいて自分の好きな時間に出社することができるので、電車のラッシュが済んでから通勤することも可能です。
企業によっては、一緒に通勤コースを考えてくれる企業もあります。
オフィスのレイアウトや使用機器について
職場についてからも、視力障害の方は、オフィス内の移動が困難です。どこに何があるのかわからないので、仕事をする上でも障害になりますし、移動することもできません。
そのため、職場の配置を細かい部分まで教えていただけるよう、企業側に伝えましょう。
複数のテナントが入っているビルなどでは、建物の入り口からオフィスまでの道のりも教えてもらいましょう。
その他に、トイレの位置、エレベーターの位置なども聞いておきましょう。
面接の時に、そのあたりのフォローをしっかり配慮して欲しいと伝えておくと、安心です。
そして、働く上で支援機器が必要な場合は、何が必要なのかも面接で伝えましょう。
音声で読み上げ・入力できるソフトや、拡大読書器、点字入力キーボード、点字翻訳ソフトなど、必要な機器は早めに準備してもらったほうがいいので、面接時に伝えられるといいですね。
社内外でのコミュニケーション
最後に、社内外でのコミュニケーションの問題もあります。相手と自分の意思疎通がうまく図れる方法は何か、伝えておきましょう。
特に、初めて視覚障害の方と接する社員が多いであろう職場の場合は、コミュニケーションの取り方がわからないので、悪気はなくてもなかなか接することができないことが予想されます。そのため、たとえば、「話しかける時に自分の名前を言ってから話してもらうと、相手が誰なのか把握しやすい」ということや、「離席する時は、名前を言ってどれくらい離席するのかを伝えてほしい」ということようなコミュニケーションの取り方を伝えておくと、同僚の方もコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
また、白杖を使用している人は、どのように誘導してほしいのか・段差や曲がる方向なども伝えながら案内してほしいことを伝えましょう。
ポイントは、「どんな配慮が必要なのか」事前に、明確に伝えておくことです。
受け入れる側の企業も、どんな配慮が必要なのかわからないことが多いです。こちらから情報を伝えて、しっかり合理的配慮を受け、長く勤められる様にしましょう。合理的配慮を求めるのはわがままなどではありませんから、遠慮せず伝えましょう。
まとめ
この記事では
- 視覚障害の種類
- 視覚障害の方の雇用状況や具体的な仕事内容
- 就職に関して準備しておくこととは?
について解説しました。
配慮さえあればきちんと働けるということを明確に伝えていくようにしましょう!