精神障害者保健福祉手帳を持つ方については2006年から企業の障害者法定雇用率の対象となり、2018年には雇用義務が明示されました。
平成30年4月1日から精神障害者の雇用が加わりました。
これまでは身体障害者、知的障害者がメインだったのです。
「企業は精神疾患を採用してくれるのかな」
「やっぱり身体障害の方の方が採用されやすいのかな」
などと不安を持っておられる方も多いです。
この記事では、
- 企業は精神障害者を歓迎している?
- 実際に採用率はあがっているの?
- 精神障害で働くことは困難なのか。
- 障害者に特化した人材紹介の利用のすすめ
を解説していきます。
企業は精神障害者を歓迎している?
企業としては障がい者の採用を歓迎しているのでしょうか。
まず、障害者雇用に対してなんらかの取り組みを行っている企業は、全体の96%です。
産業医、保健師、産業カウンセラーなどを設置したり、採用者の障害特性に応じて合理的配慮をしっかり行うなど、働きやすい環境作りは行っています。
しかし、企業の取り組みは良くても、上司や同僚の方がウェルカム状態なのかと不安になりますよね。
実際に95%の方は「精神、発達障害のある方を採用する、またはともに働く場面で課題を感じたことがある」と回答しています。
その理由として、「適切な指導がわからない」「コミュニケーション面で不安がある」などの不安があり、課題を感じているのです。
実際に採用率はあがっているの?
企業による精神障害者の雇用数は上昇しており、2019年には全国で78000人の精神障害者が雇用されており、10年前と比べて8倍になっています。
これは、近年精神障害を持つ人が増えて、そのため精神障害者手帳を持っている人が増えてきていることが関係しています。
精神障害で働きやすくなっているのか?
精神障がい者が障害者雇用義務の対象に加わったのは2018年4月からです。
厚生労働省がまとめた、「令和元年度 障害者の職業紹介状況等」によると、精神障害者の新規求職申し込み件数は前年度比6.1%増加し、就職件数は前年度比3.3%増えました。
しかし、その一方で、職業定着率は他の障がいと比べて低くなっています。
この表を見ると、精神障害者の1年後の定着率は49.3%で、約5割の人が1年でやめてしまうことになります。
どうして定着率が低いのでしょうか。
精神疾患といっても幅広く、
統合失調症、双極性障害、気分障害、てんかんなどが含まれます。
人によって症状も様々で、それが職場の人には理解されにくいという可能性が高いです。
そのため、仕事の配慮が足りず、自分に無理が生じてやめてしまったり、いじめなどの仕事が続けられない状況になってしまうこともあるようです。また、合理的配慮も不十分のこともあるようです。これは、やはり精神障害の方に対してどのように配慮をしたらいいのか経験不足でわかりにくいということもあるでしょう。
厚生労働省から出されている「使用者による障がい者虐待の状況等」で障がい者へのいじめに関する令和元年の数字では、
- 通報・届出のあった事業所数・・・ 1,458事業所
- 通報・届出の対象となった障がい者数・・・ 1,741人
- 虐待が認められた事業所数・・・ 535事業所
- 虐待が認められた障がい者数・・・ 771人
となっており、いじめが存在していることも明らかです。
雇用は増えているのですが、定着率が悪いので、精神障がいの方の就職は課題が多いと考えます。
障害者に特化した人材紹介の利用のすすめ
このように、精神障がいをもって就職し、定着するのは困難な状況です。
そのため、一人で就職活動をするのも精神的に負担になったり、何度も退職を繰り返してしまうことも考えられます。
就職活動を一人でするのは大変なので、お勧めは障害者専門就職エージェントを利用することをお勧めします。
エージェントはしっかりサポートしてくれるところを選びましょう。中には登録だけしても最初連絡があるだけのところもあります。
一人で頑張らずに、ぜひエージェントを利用し、定着できる職場探しをしていただきたいと思います。
まとめ
この記事では
- 企業は精神障害者を歓迎している?
- 実際に採用率はあがっているの?
- 精神障害で働くことは困難なのか。
- 障害者に特化した人材紹介の利用のすすめ
についてお伝えしました。
精神疾患を抱えながら就職活動をするのは大変です。
採用率は上がっていても、定着率が低いということは、実際問題なく働けている人は少ないということです。
障害者専門就職エージェントを利用して、障がい者の就職のノウハウを利用し、定着できる就職を目指しましょう。